2015
Mar
24
8
熱量の差なんだ。いつも生産性のある毎日を。~あひるの空。
「もう死にたい」
癌の痛みで限界をむかえた母の一言だった。
もう癌の治療はやめて緩和ケアをしたいと私に言ってきた。
緩和ケアとは、痛みだけを取る専門の課で治療はいっさいしないので、死ぬのが早くなる。
助かる可能性は0になり、事実上、これ以上生きることをあきらめるということだ。
治療には副作用が伴い、患者はきつい思いをする。
しかし緩和ケアならば、癌の進行は進んで死ぬのが早まるが、楽に死ねると言うことで、最後の最後はここを選ぶのだ。
「いや、待ってくれ。俺は1分でも1秒でも長く、お袋と一緒にいたい。だから頑張ってよ」
顔をぐちゃぐちゃにして、涙まみれで私はそう言った。
しかしその後に、それが自分のエゴであり、自分のための気持ちの押しつけであることに気がつく。
母はずっと頑張ってきた。
医師の宣告、余命2ヶ月はとっくに過ぎて、もうすぐ3か月。
上半身は骨と皮だけのガリガリの骸骨みたいになり、下半身はむくんでパンパンに腫れ上がり横になることが出来ないで、毎日、座ったまま寝ていたほどだ。
「わかった」
このとき、母も泣いていた。
何度も挑戦したんだ。
名医がいる東京の病院にも行った。
旅行にも行った。
旅行に行ったときは、久々に母が朝食をもりもり食べた。
「心から生きたい」って思ったんだろう。
私もこれで行けるかもって思った帰りの車で、それを全部、吐いた。
病気は容赦なく希望を奪い取っていった。
嫁が2人目の子供を妊娠した。
あえてそうしたんだ。
2人目の赤ちゃんの顔を見るまで頑張れって意味で。
いや、嫁の実家では猛反対でした。
私のお袋が病気で看病が大変になるのに、妊娠してどうすんの?
おお、正論だ。
だけどね。
俺の奥さん、出来た人でこう言ってくれた。
「パパの気持ちを考えたら、そんなこと言えない。私は子供を作る。お母さんがそれで頑張るなら、私はいいの」
そんなまわりの助けもあったけれど、結局、私の母は戦って負けたんです。
緩和ケアで2週間・・・
「家に帰りたい」
なんか痛みも取れて元気になったらしい。
この痛みを取るって薬だけど、麻薬なんで脳の機能がおかしくなってるだけで、体はボロボロなんです。
もって1週間。
家に帰って5日目。
8月の後半、クーラーはつけていない。
血の巡りが悪いらしく暑くないと。
私もそれに付き合い汗だく。
けったるい暑さとミンミン蝉が全開でオーケストラする中で母はこう言った。
「アイスコーヒー飲むか?」
体なんて動くはずがない。
限界とっくに超えてる人がこれをやる理由が、すぐにわかった。
お別れだ。
砂糖多めの甘い、甘いアイスコーヒー。
中学から高校まで毎朝、俺に作ってくれたお袋の味だよ。
「わたし・・・いいお母さんだった?」
「ああ」
涙が流れすぎて、夏だってのに鼻水だらだら出して、カッコ悪くて上を向けない俺が、何とか絞り出した返事だ。
やりたいことは、すぐにやる・・・
後悔のない日々を。
高い熱量で、生き抜く。
「いつも生産性のある日々を」・・・・漫画、あひるの空より。
俺は母の死から、人に「がんばれ」というのをやめた。
つらいことも、良いことも逃げずに先にやっとけ。
今、やっとけ。
それをやるか?やらなか?だし、出来るか?出来ないか?なのだ。
途中、休んでもいいし、1日中ドラクエやってもいいよ。
だけど休んだら、戻って来よう。
あの熱量のある毎日に。
くやしいけど、不老不死は無理ですぜ?
「あとでやる」、「いつかやりたい」って言ってる間に、人生、終わっちゃうよ。
おふくろー、見てるかー。
今は春分で、墓はいろんな人でにぎわってるけど1番派手なガーベラの花を入れたったからな。
生きたかったろうな。
輝かしい未来を見たかっただろう。
今日もいい天気だな。
「おい、ゆうき!てめえスマフォいじってねえーで練習するぞ、外出て待っとけ」
終わり。
今日は野球とは関係のない記事ではございますが、春分と言うこともあり、未来の幸せを願って生き抜いた先人たちのおかげで、このような輝かしい今に存在、出来ることを感謝しながら、熱く何かを極めていけたらと思います。
それは野球じゃなくてもいい。
今、挑戦したい何かに1歩、踏み出せる今でありますように。
ありがとうございました。
癌の痛みで限界をむかえた母の一言だった。
もう癌の治療はやめて緩和ケアをしたいと私に言ってきた。
緩和ケアとは、痛みだけを取る専門の課で治療はいっさいしないので、死ぬのが早くなる。
助かる可能性は0になり、事実上、これ以上生きることをあきらめるということだ。
治療には副作用が伴い、患者はきつい思いをする。
しかし緩和ケアならば、癌の進行は進んで死ぬのが早まるが、楽に死ねると言うことで、最後の最後はここを選ぶのだ。
「いや、待ってくれ。俺は1分でも1秒でも長く、お袋と一緒にいたい。だから頑張ってよ」
顔をぐちゃぐちゃにして、涙まみれで私はそう言った。
しかしその後に、それが自分のエゴであり、自分のための気持ちの押しつけであることに気がつく。
母はずっと頑張ってきた。
医師の宣告、余命2ヶ月はとっくに過ぎて、もうすぐ3か月。
上半身は骨と皮だけのガリガリの骸骨みたいになり、下半身はむくんでパンパンに腫れ上がり横になることが出来ないで、毎日、座ったまま寝ていたほどだ。
「わかった」
このとき、母も泣いていた。
何度も挑戦したんだ。
名医がいる東京の病院にも行った。
旅行にも行った。
旅行に行ったときは、久々に母が朝食をもりもり食べた。
「心から生きたい」って思ったんだろう。
私もこれで行けるかもって思った帰りの車で、それを全部、吐いた。
病気は容赦なく希望を奪い取っていった。
嫁が2人目の子供を妊娠した。
あえてそうしたんだ。
2人目の赤ちゃんの顔を見るまで頑張れって意味で。
いや、嫁の実家では猛反対でした。
私のお袋が病気で看病が大変になるのに、妊娠してどうすんの?
おお、正論だ。
だけどね。
俺の奥さん、出来た人でこう言ってくれた。
「パパの気持ちを考えたら、そんなこと言えない。私は子供を作る。お母さんがそれで頑張るなら、私はいいの」
そんなまわりの助けもあったけれど、結局、私の母は戦って負けたんです。
緩和ケアで2週間・・・
「家に帰りたい」
なんか痛みも取れて元気になったらしい。
この痛みを取るって薬だけど、麻薬なんで脳の機能がおかしくなってるだけで、体はボロボロなんです。
もって1週間。
家に帰って5日目。
8月の後半、クーラーはつけていない。
血の巡りが悪いらしく暑くないと。
私もそれに付き合い汗だく。
けったるい暑さとミンミン蝉が全開でオーケストラする中で母はこう言った。
「アイスコーヒー飲むか?」
体なんて動くはずがない。
限界とっくに超えてる人がこれをやる理由が、すぐにわかった。
お別れだ。
砂糖多めの甘い、甘いアイスコーヒー。
中学から高校まで毎朝、俺に作ってくれたお袋の味だよ。
「わたし・・・いいお母さんだった?」
「ああ」
涙が流れすぎて、夏だってのに鼻水だらだら出して、カッコ悪くて上を向けない俺が、何とか絞り出した返事だ。
やりたいことは、すぐにやる・・・
後悔のない日々を。
高い熱量で、生き抜く。
「いつも生産性のある日々を」・・・・漫画、あひるの空より。
俺は母の死から、人に「がんばれ」というのをやめた。
つらいことも、良いことも逃げずに先にやっとけ。
今、やっとけ。
それをやるか?やらなか?だし、出来るか?出来ないか?なのだ。
途中、休んでもいいし、1日中ドラクエやってもいいよ。
だけど休んだら、戻って来よう。
あの熱量のある毎日に。
くやしいけど、不老不死は無理ですぜ?
「あとでやる」、「いつかやりたい」って言ってる間に、人生、終わっちゃうよ。
おふくろー、見てるかー。
今は春分で、墓はいろんな人でにぎわってるけど1番派手なガーベラの花を入れたったからな。
生きたかったろうな。
輝かしい未来を見たかっただろう。
今日もいい天気だな。
「おい、ゆうき!てめえスマフォいじってねえーで練習するぞ、外出て待っとけ」
終わり。
今日は野球とは関係のない記事ではございますが、春分と言うこともあり、未来の幸せを願って生き抜いた先人たちのおかげで、このような輝かしい今に存在、出来ることを感謝しながら、熱く何かを極めていけたらと思います。
それは野球じゃなくてもいい。
今、挑戦したい何かに1歩、踏み出せる今でありますように。
ありがとうございました。
![]() 送料無料!!【全巻収納ダンボール本棚付】あひるの空 全巻セット (1-40巻 最新刊) / 漫画全巻... |