2015
Sep
25
8
好きに打ちたいけれど、打たせてもらえない人へ
好きに打ちたいよっ
チームバッティングなんてくそ喰らえだ。
もう好き放題、打っていいよってチームに移籍したほうがいいでしょうか?
それとも納会で「好きに打たせてー」って世界の中心で叫んじゃってもよろしいでしょうか?
教えてください。
火の玉、至極のメッセージ・・・
まずは、わからない方のためにチームバッティングというのものを説明させてください。
チームバッティングとは、ランナーを進める打撃のことです。
1塁より2塁、2塁より3塁。
出たランナーを出来るだけホームに近づけることにより、点数が入りやすくなる。
1点差を争うゲームでは、大事です。
そのランナーを進めるために、打者が自分を犠牲にするんです。
例えば2塁にランナーがいた場合、セカンドゴロを打てれば、ランナーはサードへ進めます。
うまくいけば、ライト前ヒットになり、1,3塁のビッグチャンス。
または2塁ランナーが返り1点!
打ち上げたとしてもライトフライなので、タッチアップでランナーは3塁へ。
そのバッターが、好き放題ぶん回して、サードゴロやショートゴロを打つならば、ランナーは2塁のまま。
あとは、ランナー1塁の時なら、送りバントで2塁へ進める。
これが野球です。
まるで将棋みたい。
歩で攻めて、歩が取られたら銀が突っ込んで、銀が取られたら角がうりゃって成る。
歩と銀を犠牲にして、角成りで相手に大ダメージ!
草野球やってると、これが実にバカらしくなることがあります。
だって後ろの奴が打つかもわからんし、俺一人チームバッティングしてみても、次は奴は扇風機野郎だったりするわけです。
しかもせっかくの休日、ホームランかまさないと、月曜日仕事どころじゃなーい。
すかっとしたいのだ。
でも・・・
でもね・・・
そうやって好き勝手、打ってしまったら野球ではないのだ。
3年の先輩にされた送りバント・・・
私が高校1年の時、古溝さん(仮名)という3年の先輩がいた。
古溝さんは、めちゃめちゃ上手くて、神様って奴がいるとしたら、この人じゃないかと思ったほどだ。
当時1年で補欠上がりのへたくそな私は当然、バカにされた。
「今度のスタメンは火の玉だ。俺は休むよ」
「いやいやマジ勘弁してくれ」
古溝さんとエースの先輩の鉄板のやりとりだ。
そこから5年の月日が流れ、私は究極進化して古溝さんの草野球チームの3番になっていたときのことだ。
ノーアウト1塁、2番古溝さんは、ノーサインで送りバントした。
しばらく鳥肌が止まらなかったのを覚えている。
1年のころの3年で、その3年の中でも神だった古溝さんが、自分よりも俺へチャンスを作った。
打席は震えた。
答えなきゃ。
震えながら、何とかセンター前へタイムリーを打った。
その次の打席は、ノーアウト2塁。
古溝さんは、お手本のようなセカンドゴロで、ワンナウト3塁を私に作った。
バカにされ続けた日々が嘘のように、俺が打つのを信じて疑わない。
こんな日が来るなんて思わなかった。
初球を犠牲フライで追加点。
より確実に想いをつなげることしか考えられなかったのだ。
スカッとホームランではなく、仲間の想いを背負う打席は、重いのだ。
これが野球。
ほかの競技者が、笑いながら言うベンチで座れる楽なスポーツ野球だ。
一瞬で終わらない。
タイムアウトがない。
重圧を背負い続ける。
想いを背負い、その想いに答え、後ろへつなげる果てしなくタフなスポーツだと私は思っている。
その大会は優勝した。
いやそうじゃなきゃ、優勝はない。
もしも楽しくやりたいなら・・・
私がお勧めするのは、好き放題、打つことではありません。
チームで同じ方向を見てください。
仲間と同じ空を見てください。
盗塁があったら、待てる打者。
もしもスタートが遅れてるならば、そこでヒッティングです。
刺されない盗塁ならば、きっちり待つ。
遅ければ、おっつけて右方向へエンドラン。
ノースリーなら、振らずに待つ。
打つならば5割ではだめです。
ノースリーから打つならば10割で打ってください。
無理ならば待つ。
ノースリーから凡退してもらえると、それだけで投手が生き返ってしまいます。
もちろん、これは押し付けではありません。
私はこっちの方が楽しかったという話をしてます。
好き放題やったこともあります。
7打数6安打!あー楽しかった・・・それだけ。
夏の大会で負けて、練習もない。
クーラーの効いた部屋でコーラを飲む。
友達からの電話で海へ水着のお姉さんを見に行く。
「最高だな、おい?」
「おおー最高だぜ」
「・・・」
「・・・」
「楽しいよな?」
「おう、楽しくてしょうがねえぜ」
とても楽しかったです。それだけ。
熱い時間は、いくら探してもグランドにしかないんです。
心の底から、熱くなったり、震えたりした経験は、振り回し打撃からはなかったという私の物語でございます。
一生懸命、打席で考えて考えて、一人がみんなのために動くチームで、大逆転するから楽しい。
好き放題、打ちたかったら・・・
やっぱり4番になることです。
質問者様は8番。
私が監督でも注意します。
ただ、私の場合は私自身が選手なので、リアルな世界で質問者様と同じチームなら注意しません。
質問者様が好き放題、打ってもチームを勝たせることができる4番バッターになります。
そこを目指します。
4番と言わずとも、3番、5番になれれば、ある程度、打席を任せてもらえます。
すごいときは、ノーアウト1,2塁でも、送りバントではなく、打っていいというサインが出ます。
現在、8番ならば、どんなに打っていても、意見は通りません。
打順を上げていって、その環境を手に入れてください。
おそらく、どこのチームでも一緒です。
もしも8番でも好き放題、打たせてくれるチームならば、その辺の草野球チームです。
適当なチームに勝ち、強豪にはコールド負けをする。
それでも良ければ、そのチームへ行ってみてください。
お勧めは、今のチームを辞めずに、遊びで打たせてくれるチームに入る。
2チーム掛け持ちすることです。
そうすれば、真剣にやりたい気持ちとプレーを縛られるジレンマの両立が出来ます。
私が20代のころ、これをやっていました。
真剣に上を目指すチームと本当に遊びのチーム。
単純にわかったことは、ないものが欲しいという人間らしい気持ちです。
隣の芝は青いというだけです。
どこに行っても、もう少し欲しい。
ということで、今は遊びのチームでコールド負けをしながら、自分だけは真剣にワンフォアオールしてます。
負けたら、勝たせてあげれない自分の打撃ってことで、また練習です。
どうぞ、質問者様も、いろいろなところに行ってみて、自分の着地点を探せれて下さい。
ありがとうございました。
チームバッティングなんてくそ喰らえだ。
もう好き放題、打っていいよってチームに移籍したほうがいいでしょうか?
それとも納会で「好きに打たせてー」って世界の中心で叫んじゃってもよろしいでしょうか?
教えてください。
火の玉、至極のメッセージ・・・
まずは、わからない方のためにチームバッティングというのものを説明させてください。
チームバッティングとは、ランナーを進める打撃のことです。
1塁より2塁、2塁より3塁。
出たランナーを出来るだけホームに近づけることにより、点数が入りやすくなる。
1点差を争うゲームでは、大事です。
そのランナーを進めるために、打者が自分を犠牲にするんです。
例えば2塁にランナーがいた場合、セカンドゴロを打てれば、ランナーはサードへ進めます。
うまくいけば、ライト前ヒットになり、1,3塁のビッグチャンス。
または2塁ランナーが返り1点!
打ち上げたとしてもライトフライなので、タッチアップでランナーは3塁へ。
そのバッターが、好き放題ぶん回して、サードゴロやショートゴロを打つならば、ランナーは2塁のまま。
あとは、ランナー1塁の時なら、送りバントで2塁へ進める。
これが野球です。
まるで将棋みたい。
歩で攻めて、歩が取られたら銀が突っ込んで、銀が取られたら角がうりゃって成る。
歩と銀を犠牲にして、角成りで相手に大ダメージ!
草野球やってると、これが実にバカらしくなることがあります。
だって後ろの奴が打つかもわからんし、俺一人チームバッティングしてみても、次は奴は扇風機野郎だったりするわけです。
しかもせっかくの休日、ホームランかまさないと、月曜日仕事どころじゃなーい。
すかっとしたいのだ。
でも・・・
でもね・・・
そうやって好き勝手、打ってしまったら野球ではないのだ。
3年の先輩にされた送りバント・・・
私が高校1年の時、古溝さん(仮名)という3年の先輩がいた。
古溝さんは、めちゃめちゃ上手くて、神様って奴がいるとしたら、この人じゃないかと思ったほどだ。
当時1年で補欠上がりのへたくそな私は当然、バカにされた。
「今度のスタメンは火の玉だ。俺は休むよ」
「いやいやマジ勘弁してくれ」
古溝さんとエースの先輩の鉄板のやりとりだ。
そこから5年の月日が流れ、私は究極進化して古溝さんの草野球チームの3番になっていたときのことだ。
ノーアウト1塁、2番古溝さんは、ノーサインで送りバントした。
しばらく鳥肌が止まらなかったのを覚えている。
1年のころの3年で、その3年の中でも神だった古溝さんが、自分よりも俺へチャンスを作った。
打席は震えた。
答えなきゃ。
震えながら、何とかセンター前へタイムリーを打った。
その次の打席は、ノーアウト2塁。
古溝さんは、お手本のようなセカンドゴロで、ワンナウト3塁を私に作った。
バカにされ続けた日々が嘘のように、俺が打つのを信じて疑わない。
こんな日が来るなんて思わなかった。
初球を犠牲フライで追加点。
より確実に想いをつなげることしか考えられなかったのだ。
スカッとホームランではなく、仲間の想いを背負う打席は、重いのだ。
これが野球。
ほかの競技者が、笑いながら言うベンチで座れる楽なスポーツ野球だ。
一瞬で終わらない。
タイムアウトがない。
重圧を背負い続ける。
想いを背負い、その想いに答え、後ろへつなげる果てしなくタフなスポーツだと私は思っている。
その大会は優勝した。
いやそうじゃなきゃ、優勝はない。
もしも楽しくやりたいなら・・・
私がお勧めするのは、好き放題、打つことではありません。
チームで同じ方向を見てください。
仲間と同じ空を見てください。
盗塁があったら、待てる打者。
もしもスタートが遅れてるならば、そこでヒッティングです。
刺されない盗塁ならば、きっちり待つ。
遅ければ、おっつけて右方向へエンドラン。
ノースリーなら、振らずに待つ。
打つならば5割ではだめです。
ノースリーから打つならば10割で打ってください。
無理ならば待つ。
ノースリーから凡退してもらえると、それだけで投手が生き返ってしまいます。
もちろん、これは押し付けではありません。
私はこっちの方が楽しかったという話をしてます。
好き放題やったこともあります。
7打数6安打!あー楽しかった・・・それだけ。
夏の大会で負けて、練習もない。
クーラーの効いた部屋でコーラを飲む。
友達からの電話で海へ水着のお姉さんを見に行く。
「最高だな、おい?」
「おおー最高だぜ」
「・・・」
「・・・」
「楽しいよな?」
「おう、楽しくてしょうがねえぜ」
とても楽しかったです。それだけ。
熱い時間は、いくら探してもグランドにしかないんです。
心の底から、熱くなったり、震えたりした経験は、振り回し打撃からはなかったという私の物語でございます。
一生懸命、打席で考えて考えて、一人がみんなのために動くチームで、大逆転するから楽しい。
好き放題、打ちたかったら・・・
やっぱり4番になることです。
質問者様は8番。
私が監督でも注意します。
ただ、私の場合は私自身が選手なので、リアルな世界で質問者様と同じチームなら注意しません。
質問者様が好き放題、打ってもチームを勝たせることができる4番バッターになります。
そこを目指します。
4番と言わずとも、3番、5番になれれば、ある程度、打席を任せてもらえます。
すごいときは、ノーアウト1,2塁でも、送りバントではなく、打っていいというサインが出ます。
現在、8番ならば、どんなに打っていても、意見は通りません。
打順を上げていって、その環境を手に入れてください。
おそらく、どこのチームでも一緒です。
もしも8番でも好き放題、打たせてくれるチームならば、その辺の草野球チームです。
適当なチームに勝ち、強豪にはコールド負けをする。
それでも良ければ、そのチームへ行ってみてください。
お勧めは、今のチームを辞めずに、遊びで打たせてくれるチームに入る。
2チーム掛け持ちすることです。
そうすれば、真剣にやりたい気持ちとプレーを縛られるジレンマの両立が出来ます。
私が20代のころ、これをやっていました。
真剣に上を目指すチームと本当に遊びのチーム。
単純にわかったことは、ないものが欲しいという人間らしい気持ちです。
隣の芝は青いというだけです。
どこに行っても、もう少し欲しい。
ということで、今は遊びのチームでコールド負けをしながら、自分だけは真剣にワンフォアオールしてます。
負けたら、勝たせてあげれない自分の打撃ってことで、また練習です。
どうぞ、質問者様も、いろいろなところに行ってみて、自分の着地点を探せれて下さい。
ありがとうございました。